業務用エアコンの電気代が高い主な原因は、清掃不足・運転条件・設備不良の3つに分けられます。
同じ「電気代が高い」という症状でも、原因によって対策はまったく異なり、清掃だけでは改善しないケースもあります。
監修
たてのエアコン 事業責任者
桑名
第二種電気工事士
たてのエアコンの事業責任者として、現場の工程管理と施工品質の担保を担当しています。エアコンクリーニングは15年の経験をもとに、家庭用・業務用を問わず分解洗浄から設置・電気工事まで一貫して対応。養生から作業後の清掃まで丁寧に行い、安心してお任せいただける現場づくりを心がけています。
プロフィールを見る ›電気代が高くなる原因は「清掃不足」「運転条件」「設備不良」の3つに分けて考える
業務用エアコンの電気代が高くなる原因は、汚れによる清掃不足、運転条件、設備不良の3つに分けて考えると整理しやすくなります。
この3つは見た目の症状が似ていても、必要な対策がまったく異なります。清掃不足であれば清掃で改善が見込めますが、設備不良が原因の場合は清掃だけでは解決しません。
清掃不足が原因のサイン
フィルターや熱交換器、室外機の汚れがたまると、空気の流れや熱交換の効率が落ちます。同じ設定温度でも消費電力が増えやすくなります。
- フィルターにホコリや油汚れが目立つ
- 吹き出し口や熱交換器のフィンが黒ずんでいる
- 室外機の周囲にゴミやホコリがたまっている
- 最後にクリーニングをした時期が思い出せない
これらに複数当てはまる場合は、清掃不足が電気代を押し上げている可能性があります。
運転条件が原因のサイン
設定温度や稼働時間、風量といった運転条件も、電気代を押し上げる要因になります。
- 設定温度を必要以上に下げている、または上げている
- 使用していない時間帯も稼働させたままにしている
- 風量を「弱」に固定し、設定温度に到達するまで時間がかかっている
- 扉や窓の開放、発熱機器、外気の流入などで空調負荷が増えている
清掃をしても運転条件が変わらなければ、電気代の改善は限定的になります。
設備不良が原因のサイン
経年劣化や部品の故障、冷媒漏れといった設備不良が原因の場合、清掃だけでは電気代は改善しません。
- 設置から年数が経過し、メーカーが案内する点検・更新時期を迎えている
- 異音や異臭がある、効きが悪くなってきた
- 清掃直後でも運転音や消費電力が変わらない
- 頻繁に運転が停止する、エラー表示が出る
これらのサインがある場合は、清掃ではなく点検・修理の相談が必要になります。清掃で直る不調と修理が必要な不調の見分け方は、効きが悪いときの症状別の切り分けでも詳しく解説しています。
電力量料金を概算するときの確認方法
エアコンが使った電力量の概算は「定格消費電力(kW)×使用時間(h)」で求め、その値に契約中の電力量料金単価(円/kWh)を掛けます。たとえば定格消費電力3.0kWの機器を1日8時間・月25日運転する想定なら、月間電力量の単純計算は600kWhです。ここへ実際の契約単価を掛けて確認します。
これは定格値で連続運転したと仮定する簡易計算です。インバーター機は室内外の温度や負荷に応じて消費電力が変わり、法人向けの請求には基本料金や契約電力なども含まれるため、請求総額そのものを示す計算ではありません。
消費電力・稼働時間から電気代を計算する方法
電気代は、エアコンの消費電力(kW)に使用時間(h)と電力量料金単価(円/kWh)をかけ合わせることで計算できます。
使用するのは、カタログや仕様書にある「冷房能力」ではなく「消費電力」の値です。電力量料金単価は契約している電力会社の料金プランや請求明細で確認してください。
馬力や冷房能力を消費電力として計算しない
業務用エアコンの「馬力」や冷房能力(kW)は、消費電力と同じ数値ではありません。同じ相当馬力でも、機種、電源、運転条件、省エネ性能によって消費電力が異なります。
| 確認する表示 | 意味 | 電力量計算での扱い |
|---|---|---|
| 相当馬力・冷房能力 | 空調能力の大きさ | 消費電力として掛け算しない |
| 定格消費電力 | 所定条件で運転したときの入力電力 | 稼働時間を掛ける概算に使用する |
| 実測使用量・請求明細 | 実際に使用した電力量や契約条件 | 前年・前月との比較に使用する |
複数台を運用している場合は、各機器の仕様と稼働時間を分けて整理します。請求総額だけでは空調以外の設備や契約条件の変化も含まれるため、可能であれば区画別・系統別の使用量も確認します。
清掃で電気代が改善するケースと改善しないケースの違い
汚れが原因で電気代が上がっていた場合は、清掃によって消費電力の無駄が減り、改善が見込めます。ただし、経年劣化や故障が原因の場合は、清掃だけでは電気代は改善しません。
清掃による電気代の下がり方は、汚れの程度や機種、使用状況によって差があります。一律の削減率を保証するものではないため、まずは原因が汚れによるものかどうかを確認してください。
- 清掃で改善が見込みやすいケース:フィルターや熱交換器の汚れが目立つ、長期間クリーニングをしていない場合
- 清掃だけでは改善しにくいケース:使用年数が長い、清掃直後でも症状が変わらない、部品の異常が疑われる場合
改善しにくいケースに当てはまる場合は、清掃と並行して点検や修理の相談も検討してください。
自分でできる対応と業者に相談すべき判断基準
日常的なフィルターや外装の清掃は、自社スタッフでも対応できます。ただし、異臭・異音・清掃履歴が不明・急激な電気代の上昇などのサインがあれば、清掃または設備点検への切り替えを検討します。
自社で確認・対応できる範囲
フィルターや吹き出し口、本体外側の日常清掃は、多くの機種で利用者のお手入れとして案内されています。自社スタッフでの対応が可能です。
取り外し方法や水洗いの可否は機種によって異なるため、取扱説明書を確認してください。記載がない場合は無理に分解せず、フィルター掃除の具体的な手順はフィルター掃除の手順と業者に頼むべき境界で確認してください。
業者へ相談すべき症状のサイン
内部パーツの汚れや、次のようなサインがある場合は、自社対応の範囲を超えるため専門業者への相談を検討します。
- 前回の内部クリーニング時期が分からない
- 異臭や異音がある
- 清掃をしても電気代や効きに変化がない
- 設置場所が高く、自社で安全に手が届かない
たてのエアコンでは、大田区・世田谷区を中心に法人・店舗・施設向けの業務用エアコンクリーニングの対応内容をご案内しています。天カセ・天井埋込など機種によって対応可否が変わるため、型番や設置条件を確認のうえご相談ください。
店舗・施設で複数台を稼働させている場合の電気代の特徴
店舗・施設で複数台を稼働させている場合、同時稼働台数や区画ごとの負荷のばらつきが電気代を押し上げやすくなります。台数単位ではなく、稼働状況全体で確認することが必要です。
- 営業時間中に複数台を同時稼働させている
- フロアや区画によって稼働時間・設定温度が異なる
- 閉店後や休業日も稼働させたままの台数がある
営業時間中は複数台を同時稼働させる一方、閉店後や休業日は台数を減らせる場合もあります。区画やフロアごとの稼働状況を把握することが、電気代の見直しにつながります。
複数台をまとめて点検・清掃する場合は、施工順や区画、作業日数を調整する計画が必要になることがあります。少数台は写真から概算を整理できますが、複数台・施設は現地調査で確認する場合があり、詳しくは見積もり方法をご確認ください。
よくある質問
- 清掃をすれば必ず電気代は下がりますか。
- 汚れが原因で電気代が上がっていた場合は改善が見込めますが、経年劣化や故障が原因の場合は清掃だけでは改善しません。具体的な削減幅は現場条件によって異なるため、一律の数値をお約束することはできません。
- 電気代が急に高くなった場合、まず何を確認すればよいですか。
- フィルターや室外機まわりの汚れ、直近の清掃時期、設定温度や稼働時間に変化がないかをまず確認します。それでも原因がはっきりしない場合や、異臭・異音がある場合は、清掃と点検のどちらが必要かを含めてご相談ください。
- 複数台の業務用エアコンをまとめて確認してもらうことはできますか。
- 大田区・世田谷区を中心に、法人・店舗・施設の複数台をまとめた清掃計画をご相談いただけます。台数や機種、天井高、作業時間帯などの条件によって施工順や日程が変わるため、現地調査を含めてご案内する場合があります。
まとめ
業務用エアコンの電気代が高いと感じたら、清掃・運転条件・設備不良のどこに原因があるかを切り分けることが対策の第一歩です。事業責任者は延べ10,000台超のエアコンクリーニング経験があり(会社員時代を含み、2026年7月時点)、作業起因の故障・不動は0件です。
清掃で改善するケースと、経年劣化や部品の異常など清掃だけでは解決しないケースは、現場によって異なります。まず汚れ・運転条件・設備のどこに原因があるかを見極めたうえで、必要な対応を判断します。
- 清掃不足が原因なら、清掃で改善が見込めます
- 運転条件が原因なら、設定や稼働時間の見直しで改善が見込めます
- 設備不良が原因なら、清掃ではなく点検・修理の相談が必要です
日頃からの清掃頻度を見直すことも、電気代が高くなる前の予防につながります。清掃頻度の目安は業種と稼働状況で変わる清掃頻度で解説していますので、あわせてご確認ください。