業務用エアコンの水漏れ|原因の切り分け方と清掃・修理どちらに依頼するか

業務用エアコンの水漏れは、発生場所や症状によってドレン詰まり、ドレンパンやドレンポンプの故障、配管勾配の不良など原因が変わります。清掃で改善する水漏れと修理が必要な水漏れの見分け方、応急処置、依頼前に準備する情報を解説します。

業務用エアコンの水漏れは、発生している場所によって疑うべき原因が変わります。天井や吹き出し口からの水漏れと、室内機本体からの水漏れでは、確認する部位が異なります。

清掃で改善する水漏れと、点検・修理が必要な水漏れは原因が異なり、切り分けを誤ると清掃を依頼しても水漏れが止まりません。発生場所と症状を確認したうえで、清掃と修理のどちらに依頼すべきかを整理します。

たてのエアコン 事業責任者 桑名

監修

たてのエアコン 事業責任者

桑名

第二種電気工事士

たてのエアコンの事業責任者として、現場の工程管理と施工品質の担保を担当しています。エアコンクリーニングは15年の経験をもとに、家庭用・業務用を問わず分解洗浄から設置・電気工事まで一貫して対応。養生から作業後の清掃まで丁寧に行い、安心してお任せいただける現場づくりを心がけています。

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水漏れの発生場所で疑う原因が変わる

業務用エアコンの水漏れは、発生場所によって疑う原因が変わります。天井や吹き出し口はドレン側の詰まりや汚れを疑います。

室内機本体はドレンパンや配管の不良を疑います。室外機まわりの水滴は正常な排水であることも多いため、まず発生場所を確認してください。

天井・天カセの吹き出し口まわりからの水漏れ

天井や天カセの吹き出し口から水が垂れる場合は、ドレンホースやドレン配管の詰まりで排水が逆流している可能性が高いです。天カセ・天井埋込型は内部にドレンパンと排水経路があり、ホコリや汚れがたまりやすい構造になっています。

室内機本体の下や内部に水がたまっている

室内機本体の下や内部に水がたまる場合は、ドレンパンのひび割れや、ドレンポンプの故障による排水不良を疑います。詰まりだけでなく部品の破損が関係していることが多く、清掃だけでは解決しないケースが含まれます。

室外機まわりでは水の出所を確認する

冷房時は室内機で生じた結露水がドレンホースから屋外へ排水され、排水口が室外機の近くにあると室外機から出た水のように見えることがあります。暖房時は室外機の除霜運転などで水が出ることがあります。

室外機本体・冷媒配管・ドレンホースのどこから出ているかを確認し、判断できない場合や水量が急に増えた場合は設備業者へ相談してください。

水漏れに気づいたときにまず行うこと

水漏れに気づいたら、まず運転を止めて電源を切ってください。水受けを置いて被害の拡大を防ぎ、発生場所と時刻を記録してから相談してください。

焦げた臭いや異音をともなう場合は、原因の切り分けを続けず、すぐに連絡してください。

まず電源を切り被害を広げない

水を吸った天井材や什器は、カビや傷みにつながります。気づいた時点で運転を止め、バケツやタオルを置いて水の広がりを防いでください。

写真や動画で発生場所と量を記録しておくと、相談時の説明がスムーズになります。

焦げた臭いや異音をともなう場合はすぐに連絡する

焦げた臭い、金属がこすれるような異音、ブレーカーが落ちる状態に気づいたら、電気系統の異常が疑われます。運転を止めてブレーカーを切り、すぐに連絡してください。

この段階では、清掃か修理かをご自身で判断する必要はありません。作業時の養生やブレーカーの扱いは養生・ブレーカー・高所作業の確認にまとめています。

清掃で改善が見込める水漏れ

清掃で改善が見込めるのは、排水経路がふさがれている水漏れです。ドレンホースやドレン配管の詰まり、フィルターや熱交換器の汚れが代表例です。

排水経路の詰まりが原因なら、詰まりを除去して正常に排水できる状態へ戻すことで改善が見込めます。

ドレンホース・ドレン配管の詰まり

ドレンホースやドレン配管の内部にホコリ、カビ、虫の侵入物がたまると、排水が滞って水漏れを起こすことがあります。詰まりが原因と確認できた場合は、汚れを取り除くことで改善が見込めます。

フィルターや熱交換器の汚れによる排水不良

フィルターや熱交換器に付着した汚れが結露水の流れをふさぎ、本来ドレンパンへ落ちるはずの水が周囲へあふれることがあります。フィルターは日常清掃の範囲ですが、熱交換器の奥は分解洗浄が必要です。

フィルター清掃の手順と業者に頼むべき境界はフィルター掃除で自分でできる範囲にまとめています。対応できる機種や施工条件は業務用エアコンクリーニングの対応内容で確認できます。

清掃では直らず点検・修理が必要な水漏れ

清掃では直らない水漏れもあります。ドレンパンの破損やドレンポンプの故障、配管勾配の不良が代表例で、部品の交換や施工のやり直しが必要です。

先に清掃を依頼しても、水漏れは解消しないままです。

ドレンパンの破損・ヒビ割れ

ドレンパンにヒビや破損があると、受け止めた結露水がそのまま漏れ出します。清掃で汚れを取り除いても水漏れが続く場合は、ドレンパン自体の劣化を疑ってください。

ドレンポンプの故障・能力不足

ドレンポンプは結露水をくみ上げて排水する部品で、経年劣化や故障で排水能力が落ちると水があふれます。天カセ機種など高低差のある排水経路では、ポンプの不調がそのまま水漏れにつながります。

配管勾配の不良や設置不良

ドレン配管は、排水先へ向けてわずかな勾配をつけて施工します。支持が外れたり、施工時の勾配が不足していたりすると、水がうまく流れず逆流します。

この場合は配管のやり直しが必要で、清掃では改善しません。

冷媒配管の結露・断熱不足や冷媒ガス漏れ

冷媒配管の断熱材が劣化・不足していると、配管表面に結露が生じて水滴として垂れることがあります。冷媒ガスが不足している場合も配管に霜や結露が付きやすくなり、いずれも専門業者による点検が必要です。

水漏れを放置するリスク

水漏れを放置すると、天井材や什器が水を吸ってカビや異臭が発生します。さらに、水が電装部にかかると漏電や本体故障につながるおそれがあります。

被害は時間とともに広がるため、早い段階での切り分けが被害を抑えます。

天井材・什器への二次被害とカビ・異臭

天井材や壁材が水を吸うとシミや劣化が進み、湿った状態が続くとカビが発生して異臭の原因になります。飲食店や店舗では、来店客に気づかれる前に対処したい問題です。

吹出口の黒い汚れとカビの見分け方、手配を急ぐべきかどうかの目安はカビの発生と手配時期の見分け方で解説しています。

漏電や本体故障の進行

水が電装部や制御基板にかかると、漏電やショート、本体故障につながるおそれがあります。放置期間が長くなるほど内部への浸水が進み、修理や部品交換の規模が大きくなりやすい点にも注意してください。

清掃と修理、どちらに先に依頼するか

詰まりや汚れが原因なら清掃、部品の破損や施工不良が疑われるなら点検・修理が先です。判断がつかない場合は、症状をお伝えいただければ、清掃と修理のどちらに近いかを確認のうえご案内します。

出ている症状先に確認する内容
天井や吹き出し口から水が垂れるドレンホース・配管の詰まり(清掃)
フィルターや熱交換器が汚れている清掃で改善が見込める
ドレンパンにヒビがある、パンから直接漏れている点検・修理
清掃してもすぐ水漏れが再発する配管勾配・設置不良の点検
冷媒配管に結露や霜が付いている点検・修理(冷媒ガス漏れの可能性)
焦げた臭い・異音・ブレーカーが落ちる運転を止めて連絡

依頼前に準備しておく情報

室内機の型番と台数、設置からの年数が分かると、状況の把握が早く進みます。水漏れの場所と時期、水滴の量や頻度も伝えていただくと、判断がさらに早まります。

分かる範囲で構いません。

  • 室内機の型番と台数(銘板または本体側面の表示)
  • 設置からのおおよその年数
  • 水漏れが起きている場所(天井・吹き出し口・室内機本体・室外機まわり)
  • いつから、どのくらいの量の水が出ているか
  • 発生箇所の写真

少数台であれば、写真から概算の条件を整理できます。確認しておきたい項目は写真見積もりに必要な情報にまとめています。

よくある質問

水漏れがあっても運転を続けてよいですか。
水漏れに気づいた時点で運転を止めることをおすすめします。運転を続けると水の量が増え、天井材や什器への被害が広がるおそれがあります。
自分でドレンホースの詰まりを取り除いてもよいですか。
取扱説明書に利用者のお手入れとして示された範囲は清掃できる場合がありますが、内部の分解や高所作業には専門知識と安全な作業環境が必要です。無理に分解せず、症状を確認したうえでご相談ください。
冷媒ガスが漏れているかは自分で判断できますか。
配管に霜や結露が付く、風は出ているのに冷えないといった症状がある場合は冷媒漏れの可能性がありますが、確定には専門業者の点検が必要です。
清掃を依頼しても水漏れが直らなかった場合はどうなりますか。
詰まりや汚れ以外に原因があると考えられるため、点検・修理が必要な状態として専門業者への相談をご案内します。発生場所と症状を先に確認しておくと、この手戻りを減らせます。
室外機の下に水たまりがあるだけでも連絡したほうがよいですか。
冷房時は室内機の結露水を流すドレンホース、暖房時は室外機の除霜排水が水の出所になることがあります。室外機本体や配管から漏れている、水量が急に増えたなど気になる点があればご相談ください。
複数台のうち1台だけ水漏れしている場合も同じ対応でよいですか。
1台だけの水漏れは、その1台の部品や設置状況に原因があることが多いです。発生している号機と場所を記録しておくと、点検の際に役立ちます。

まとめ

発生場所と症状を先に確認してください。詰まりや汚れが原因なら清掃、部品や施工の不良が疑われるなら点検・修理を先に依頼すると、水漏れの手戻りを防げます。

  • 天井や吹き出し口からの水漏れはドレンの詰まりや汚れを疑います
  • ドレンパンの破損やドレンポンプの故障、配管勾配の不良は清掃では直りません
  • 焦げた臭い、異音、ブレーカー落ちがあれば運転を止めてすぐに連絡してください
  • 室外機まわりでは、室内機のドレン排水・暖房時の除霜排水・本体や配管からの漏れを区別します

水漏れの相談では、発生場所と症状の切り分けを先に行います。事業責任者はこれまでに延べ10,000台を超えるエアコンクリーニングを経験しており(会社員時代の施工を含みます)、作業が原因の故障・不動は0件です。

詰まりや汚れが原因であれば清掃で改善しますが、ドレンパンや配管の不良は清掃だけでは直りません。切り分けを省いて清掃だけを進めると、原因が部品や施工側にあった場合に手戻りになります。

たてのエアコン メディア部

執筆

業務用エアコン情報メディア

たてのエアコン メディア部

東京・神奈川の法人・店舗・施設向けに、業務用エアコンクリーニングの選び方・料金の見方・現場条件の確認ポイントを発信しています。公式情報と現場知見をもとに、発注前の判断材料になる記事を制作しています。